2010年12月24日金曜日

早いもので、もう1周忌です

先日、去年食道がんで亡くなった父の一周忌法要と偲ぶ会が営まれました。
千葉県でも、自動車業界でも、お付き合いの広かった父でしたので、偲ぶ会は仕事関係の大勢の方に囲まれる中で行われました。

        *父の会社の方が全部準備して下さいました。結婚式かと思った。(汗) 

本当は、この日のことを一番案じていた母がこの場所にいるはずだったのですが、今年の夏その母も皮膚がんにより他界してしまったため、残念ながら一緒に弔うことはできませんでした。
でも、ご挨拶頂いた御来賓の皆様方のスピーチには全て、いつも隣で看病していた気丈な母の姿も語られ、会場一致で母の存在に想いを馳せました。

この日のために、私がどうしても間に合わせたかったもの。
それは、父の遺骨でできたダイヤモンドの指輪とネックレス。
仏事ですから、本来はダイヤなんて光モノや着物にネックレスはタブーですが、これだけはお集まりいただいた皆様にお見せしたくて。

普段結婚指輪もしない私ですが、ファザコンなので父の指輪はします(笑)
この真ん中の黄色いのが遺骨でできた人工ダイヤです。
ただいま、母の分も作成中。こちらはイヤリングになる予定です。
この指輪とネックレスは、お世話になった方のご友人のお店で、帝国ホテルプラザにある「サロン・ド・アッシュ」で作って頂きました。
こちらの社長さんに父のダイヤを預けた時、「大切にお預かりします」とおっしゃいながら、「今までのどんな宝石を扱うよりも重責を感じます。これはお金では買えないものだから。」とおっしゃっていたのが印象的でした。
もう納骨してしまったのだから、二度と骨を取りだすことはできません。
本当にこれが形見なのですよね。

両親がいなくなれば、実家はずいぶんと遠いもののように感じます。
実家に戻り、「お邪魔します」とつい出た言葉。
いつもの調子で2階の自分の部屋へあがろうと思った瞬間、すでに自分の家ではないことにハタと気付き、足が止まってしまったこと。
母が生きていたつい数か月前は「ただいま」と勝手にカギをあけて、我が物顔でゴロゴロしていたのに。
娘というのは、こうして旧姓から離れていく宿命の下、戸籍そのものから親離れをしていかなければならないからこそ、その短い同居生活の中で一身に愛を受ける存在であるのかもしれません。

父が病気になり、それから二人で相談してきた色々なこと。そこで決断したこと。
何があっても、この1年間、父と母の意思を受け継ぎ、その決断をぶらさなかったこと。
1周忌を終え、その責務を果たせた時、どっと力が抜けました。

私が父から受け継いだものは計りしれません。
そしてこの1年間、それがとても顕著になってきたような気がします。
一卵性親子のようであった私と父。
この日、その卵の殻をようやく脱ぐことが出来たような気がします。

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