2011年4月9日土曜日

母の糠床

さすがに毎日というわけにはいきませんが、曾祖母→祖母→母と受けついできた糠床を大事にかき回しています。
本当は常温にして、毎日かき混ぜるのが糠床ってやつなんですが、少々横着をして冷蔵庫で保管しているので数日に1度の混ぜ混ぜです。
亡くなった母が入院中、何を一番気にしていたかというと、この『糠床』。
受け継ぐ前は、『何で糠床なんか・・・』と不思議でした。
だって、自分の体がどうにもならない状況なのに、糠床なんてものすごいどうでもいいことのように思いません?
でも、この『糠床』って、毎日毎日かき混ぜてようやく、その家に何十年、何百年と引き継ぐことができる立派なものになるんですよね。
ちょっとでも怠ると、すぐにダメになってしまう繊細なもの。本当に生き物です。

                        【本日の糠みそ】

親から受け継ぐものって、目に見えるものと見えないもの、両方あります。
糠床は、目に見える形あるものなんだけど、その中につまったものは何だかとても深い。
そして臭い(笑)
『臭いものにふたをするな』ってこういうことなのかなって。
たとえ嫌なことがあっても、見たくないような、聞きたくないような、思わずずーっとふたをして暗所に追いやっておきたいことも、逃げないで、ちゃんと毎日ふたをあけて、少しずつでいいから新しい空気を入れて。

糠床の味は、糠の量とか、トウガラシの量とか、ビールの量とか、そんなことで変わっていくけれど、大事なのは“続ける力”。
そして、そこに『床』があること。
基盤って大事。

ただいま、社長として、じっくり糠床作りをしております。
美味しいぬか漬けまで、がんばるぞー!

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